読書嫌いがオススメする小説3選!

読書があまり好きではない人にこそ是非オススメしたい作品3選

さっそく1作品目をご紹介。

吉本ばななさん作 『キッチン』

 

キッチン (角川文庫) | 吉本 ばなな |本 | 通販 | Amazon

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言わずと知れた吉本ばななさんの代表作(らしい)……ですが、お恥ずかしながら27歳で偶然この本と出会うまで、名前はおろか存在すら認知しておりませんでした。

 

【あらすじ】

唯一の肉親であった祖母を亡くし、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居することになったみかげ。日々の暮らしの中、何気ない二人の優しさに彼女は孤独な心を和ませていくのだが……。

※リンク先のページから丸々引用させていただいています。

 

おすすめポイント

・とにかく読みやすい。疲れている日こそ読みたくなる

一人称のフラットな文章で、本を読み慣れていない人も感情移入しやすい

・難しい漢字はほとんど登場しない

・どの登場人物も基本的にいい人ばかり(偽善という意味ではない。苦労人という意味で)で、読み手にストレスを与えない

・作者のあとがき「日々苦しく切ない思いをしていることでいつしか乾燥してしまって、外部からのうるおいを求めている、そんな心を持つ人に届けたい」がすべてを物語っている作品

 

■個人的に人生の教訓にしたい部分のご紹介

 

・P59 雄一の父親(母親代わり)の台詞

「まあね、でも人生は本当にいっぺん絶望しないと、そこで本当に捨てらんないのは自分のどこなのかをわかんないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに大っきくなっちゃうと思うの。あたしは、よかったわ。」

 

・p111 同じく雄一の父親の台詞

「――(中略)その後すぐに妻は死んで、パイナップルも枯れたわ。あたし、世話の仕方がわからなくて水をやりすぎたのね。パイナップルを庭のすみに押しやって、うまく口に出せないけれど、本当にわかったことがあったの。

口にしたらすごく簡単よ。世界は別に私のためにあるわけじゃない。

だから、いやなことがめぐってくる率は決して、変わんない。自分では決められない。だから、他のことはきっぱりと、むちゃくちゃ明るくしたほうがいい、って。……それで女になって、今はこのとおりよ。」

 

100回くらい読んでる。

特に、女性読者の方におすすめの作品です。

(個人談ですが、私はこれを偶然知り合った古書店の女店長さんから譲り受け、『この本だけが唯一「感情」を思い出させてくれるの』とおすすめされました。人生のバイブルでございます)

 

 

 

 

さて続いては、

筒井康隆さん作 「旅のラゴス

 

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こちらも言わずと知れた超名

読書をしなさすぎて危機感を覚えたアラサーが「おすすめ 本」で検索をかけて、ほぼほぼどのリンクを開いてもおすすめされていた作品がこちらでした。

読んでおいて損はないはず、と5年ほど前に即購入。

実際、活字が苦手な私でも3回くらいは読み直しました。

 

 

【あらすじ】

旅をすることがおれの人生にあたえられた役目なんだ。

集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か?

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

※丸々引用させていただいています。

 

おすすめポイント

・10代~20代の若者より、ある程度人生経験を積んでこられた方にグッと刺さるSF

・駄作やらハラハラ感がないやら、アンチな評判もしっかりある。ただ言えるのは、読書嫌いがはじめてこの小説を読んだら「小説ってすげえ」と思う。そういう本

ラゴスという主人公が嫌い、という人が多い。いや、この本はあなたがスカシウマと出会うための物語なんだ

・とにかく読め。読んで損はない。

・一人称の文章なので、SF作品だがかなり読みやすい

 

■個人的に人生の教訓にしたい部分のご紹介

・物語中盤、ラゴスが昔の文明が残していった本(政治、語学、医療など)をひたすら読み耽っている時の様子。

ラスト。とにかく、ラストが素晴らしかった。いろんな意味で。

 

 

この本は大事に本棚に入れていましたが、1作品目の小説を譲ってくださった女性に「交換で」とお渡ししたため、今は手元にありません。

記憶の中で生き続けている作品です。

スカシウマのことは一生忘れない。

 

 

 

 

 

さて、3作品目です。

恩田陸さん作 『Q&A』

 

Q&A (幻冬舎文庫) | 恩田 陸 |本 | 通販 | Amazon

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これは高校生くらいの頃に本屋さんで「なんだこのタイトル?」と思って衝動買いした文庫本だったのですが、多分ハードカバーの本をお小遣いで買ったのはこの作品が初めてだったと思います。

読んでびっくり。内容はすべて「会話文」のみ!!!

衝撃作です。

 

【あらすじ】

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず――多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か? 異臭は? ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は? 

そもそも、本当に事故なのか? Q&Aだけで進行する著者の真骨頂!

 

 

おすすめポイント

マジで会話文しかない

・インタビュー形式なのが不気味で、物語に没入してしまう

YouTubeとか今ほど流行していない時代(平成初期)に読んだので、なおさらこの作品にのめり込めた

学生さんにおすすめ。「ふわふわしたファンタジーなんて興味無いね」という方は特におすすめ

・理解しなくていい。不気味さを味わおう

 

 

■個人的に人生の教訓にしたい部分のご紹介

教訓にしたいところは正直あまりないが、人間心理や「こういう事って現実にも普通に起こり得ることだよね」という怖さを勉強できる。

 

 

 

実はこの本も、すでに手元にありません。

大学生の頃に実家から遠い県に引っ越し、荷物を整理する時にあんまりにもボロボロすぎて。。。

なのに、未だに当時の衝撃を覚えています。何度も「うわぁ」と言いながら読んでいました。

 

 

以上、常に眼精疲労で活字を読みたくない読書嫌いがオススメしたい作品3選でした。